(nittaku)全日本大会速報(1/22)
2012年01月23日
全日本選手権 最終日
全日本選手権大会は最終日を迎えた。
今日は女子ダブルスのチャンピオンと男子シングルスのチャンピオンが決定する。
水谷隼(明治大)の6連覇なるか・・・。
その光景を人目見るために、朝から多くの卓球ファンが雨の中会場に詰め掛けた。
卓球ファンの期待に応えられるすばらしい試合に期待したい!
田代/藤井優、準決勝へ、女子ダブルス
●女子ダブルス準々決勝
田代/藤井(日本生命) 8、7、-5、8 松本/松平(四天王寺高)
社会人になり成長著しい田代/藤井優のニッセイペアがインターハイ王者の松本/松平(四天王寺高)を破り、準決勝進出を決めた。
松本/松平に1ゲームを奪われるも第4ゲームを8点で抑え、勝利を決めた。
敗れた松本/松平のコメント:
「向こうは右右の裏裏のオーソドックスでチャンスだと思ったけど、コース取りがうまくて自分たちの展開にならなかった。メダルがとりたかった」
福原/石川、藤井/若宮に敗れる
●女子ダブルス準々決勝
藤井/若宮(日本生命) -9、9、11、-9、10 福原/石川(ANA/全農)
石塚/山梨(十六銀行) 9、-10、8、3 野上/市川(日立化成)
田代/藤井(日本生命) 8、7、-5、8 松本/松平(四天王寺高)
阿部/小野(サンリツ) -9、11、7、5 福岡/土井(中国電力)
社会人2位の野上・市川 準々決勝敗退
女子ダブルス準々決勝、社会人選手権準優勝の野上・市川(日立化成)は山梨・石塚(十六銀行)と対戦。
両者丁寧なコース取りを見せ一進一退の展開となったが、強気で攻めた山梨・石塚に軍配。
準決勝進出を決めた。
敗れた野上・市川は「内容は悪くないと思いますが、先に攻められたときの点の取り方が課題になりました。(市川)
ベスト4には入りたかったです。今年は社会人も含めて昨年よりひとつでも多く勝ちたいと思います。(野上)」
とコメント。
松平賢、高木和に昨年の雪辱
昨年の準々決勝の大激戦、松平賢二対高木和卓、全く同じ対戦が実現したが、昨年敗れた松平が雪辱を果たした。
昨年は松平が序盤の優勢を守れずにフルゲームで敗れたが、今年の試合は競りながらもストレート勝ち。
昨年と同様、フォア前に出される左横サービスに対しやや苦しんだが、サービスを持った時は優位に立った。
ラリーはほぼ互角だが、バックのブロック力があがり、フォアの威力で押し切った。
高木和「相手は台上がうまかった。ラリーでは自分の威力が足りなかった。
結果は満足していないが、これが実力と受け止めて、また頑張りたい」
●男子シングルス準々決勝
水谷隼(明治大) 4、5、-10、4、2 時吉佑一(時吉スクール)
松平賢二(青森大) 5、15、9、11 高木和卓(東京アート)
松平健太(早稲田大) 6、-8、-5、4、5、10 丹羽孝希(青森山田高)
吉村真晴(野田学園高) 9、5、-5、7、-4、7 森本耕平(愛知工業大)
時吉佑一 準々決勝敗退
昨日、オリンピック日本代表の岸川聖也に勝利した時吉佑一が、5連覇中の水谷隼に挑戦。
第4ゲームを奪ったものの、水谷のペースに持ち込まれ4―1で敗れた。
試合後「レシーブがうまくいかずに出だしでつまずいた。
もちろん勝ちにいこうと思っていたが、相手のほうが何枚も上手でした。
今大会は最後まで諦めない気持ちがプレーに出せたと思う。
まだまだできるかなと確信したので、これからも頑張っていきたい」と時吉のコメント。
女子ダブルス、昨年と同カードの決勝戦
●女子ダブルス準決勝
阿部恵/小野思保(サンリツ) 7、9、7 田代早紀/藤井優子(日本生命)
藤井寛子/若宮三紗子(日本生命)9、ー8、7、7 山梨有理/石塚美和子(十六銀行)
試合後の山梨・石塚ペアのコメント
山梨:今まで日本リーグで5回ほど対戦してるが、一度も勝ったことがない。
挑戦者の気持ちでプレッシャーも感じずに、向かっていこうと思いました。
石塚:緊張してプレーが固くなってしまった。
若宮・藤井ペアはなかなか攻撃をさせてくれない。
吉村が健太に快勝、決勝へ
快進撃を続ける吉村が、準決勝・松平健戦でも当たりを見せ、初の決勝進出を決めた。
前・中陣での激しい打ち合いとなったが、吉村がボールのパワーで上回った。
松平は得意の前陣でのブロックやカウンターで対抗したが、さばききれなかった。
松平は4ゲーム目を奪い、5ゲーム目も先にゲームポイントを奪ったが、そこから吉村が思い切りの良い攻撃を見せて逆転。
勝機もあっただけに、松平は試合後悔しさをにじませた。
準決勝のもうひと試合は、水谷隼が松平賢二に完勝。
台上でのサービス・レシーブ、中陣でのラリー戦の安定性、あらゆる面において水谷がまさっていた。
松平賢二は中陣で大きく動かされて打球点を落とし、攻勢に出た場面でも水谷の反撃を許した。
松平兄弟はともにベスト4で進撃ストップ。
●男子シングルス準決勝
吉村真晴(野田学園高) 9、8、7、-7、10 松平健太(早稲田大)
水谷隼(明治大)4、7、3、5 松平賢二(青森大)
藤井寛子/若宮三紗子ペアが三連覇!
●女子ダブルス決勝
藤井寛子/若宮三紗子(日本生命) 9、13、6 阿部恵/小野思保(サンリツ)
女子ダブルスは昨年の世界選手権ベスト8、藤井/若宮ペアが3連覇。
藤井がラリー戦に安定感をもたらし、若宮が思いきりの良いレシーブ強打、3球目フォアドライブで流れを引き寄せる。
阿部/小野ペアは2ゲーム目に8−10から11−10と逆転したが、ここで若宮がフォアストレートへ3球目フォアドライブを決め、このゲームも藤井/若宮が取った。
2ゲーム先取しても、昨年2−0からゲームオールに持ち込まれた反省を生かし、最後まで集中力を切らさなかった藤井/若宮。
「世界選手権パリ大会がふたりの目標。
そこでメダルが取れるようにもっと良いペアリングを目指したい」(藤井)、
「ふたりの個性を生かして、もっともっと強くなりたい」(若宮)と、優勝者インタビューでさらなる飛躍を誓った。
吉村真晴が水谷に劇的勝利で初優勝!
●男子シングルス決勝
吉村真晴(野田学園高) 9、6、-6、-6、9、-5、10 水谷隼(明治大)
決勝まで1ゲームしか落としていなかった5連覇中の絶対王者・水谷の前に立ちはだかったのは、高校3年生の若武者・吉村だった。
社会人王者の張一博(東京アート)や今大会好調だった松平健太(早稲田大)らを破ってきたとはいえ、
観客の大半は水谷の史上初となる男子シングルス6連覇を疑わなかっただろう。
ところが、ゲームが始まるとその空気が一変する。
世界ジュニアで中国選手を震え上がらせた両ハンドが火を噴き、吉村が一気に2ゲーム連取した。
このまま終われない王者・水谷は、レシーブから一発で決めるドライブを打ち込むなど、ラリー戦を避けた速攻戦術で2ゲームを取り返し、2-2のタイに。
ようやく水谷がペースを握ったか…と思われたが、再び吉村の攻撃卓球が炸裂し、5ゲーム目を奪い3-2と王手。
続く第6ゲームは水谷が意地を見せて5本に抑えて3-3。決勝にふさわしいゲームオールの戦いとなった。
最終ゲームは一進一退の攻防。
水谷リードの5-4でチェンジコートするもすぐに吉村が追いつき5-5。
水谷が取り返して6-5とするも、吉村も踏ん張り6-6。
続くポイントを吉村が奪って吉村の7-6なったところから、水谷が4連続ポイントで10-7のチャンピオンシップポイント!
会場内の誰もが「やはり今年も水谷」と思った瞬間だったが…。
1本返されたところで水谷がタイムアウトで間合いを取る。
しかし、これまでの5回の優勝とは違い、決めきれない水谷。
失点を重ね、10-10のデュースに。
「何かが起こる」、そんな異様ともいえる空気が会場内に流れはじめ、さらに吉村がポイント。
11-10と逆王手。
最後は吉村のサービスを水谷が回り込んでレシーブするも、ボールは無情にも台を越えていった。
高校2年で全日本初優勝を果たし、連覇記録を5に伸ばしてきた水谷。
今大会では男子シングルス史上初の6連覇がかかっていたのだが、まさか自身の初優勝と逆の立場となり、高校生に敗れるとは夢にも思っていなかっただろう。
敗れた瞬間、水谷は手で顔を覆い、ベンチに帰ってからもしばらく立ち上がることはできなかった。
それにしても世界トップランカーである水谷のハイレベルな攻守を打ち抜いた吉村の両ハンドは見事の一言。
日本に新たなスターが誕生した、今年の全日本だった。